本当に大切なことは誰にも教えたくない

10年ほど前からメンタルを傷つけて病んで悩んで、自分なりに導き出した結論。たまに日常。

研究室には俺が知らない俺がいるらしい

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 先日OBの一人が所用で研究室を訪ねて来た。最初は距離を置いていたんだけど、声をかけられたので近くでお手伝いをした。

 そのOBの方は、物理学を学んだ後に医学の方へ進んでいった珍しい経歴を持っていて、物理と医療の境界領域を研究している俺としては、貴重なお話を聞けるのではないかとワクワクしていたのだが、話をすればするほど科学者としてのメンタリティが合わず、あまり面白いお話は聞けなかった。

 

 OBが帰った直後にゼミがあったので、半ば傷心気味のまま、OBとはそんな感じでしたよと教授に伝えると

「彼はそういう人なんで」

なんて笑いながら言われた。

「そうですかー、残念……」

と未練丸出しだったけど、まあ仕方のないことなので納得した。

 

 後日、俺のいないところで先日俺がOBにあっさりフラれた話を教授が同期たちの前でしたらしく、その際の流れを教えてくれた同期の話が驚愕の内容だったので、ここに記す。

 

 教授はOBとはかなり控えめに接したはずの俺を評してこう述べたらしい。

「距離が近すぎたからフラれたんですね」

 

 え…...ありえない!

 学部時代から教室を見渡せば、同窓生の中で最も人と距離を置く男だったこの俺が、距離が近すぎただと?

『近い』ならまだしも『近すぎた』だと⁉︎

 

 学部時代と、研究室入ってからの俺の対人関係を知っている人なら、この表現が如何に異常なのか分かるはずだ。

 恋に加えて研究も俺を盲目にさせるというのか⁉︎ 

 

本当に自覚がない。

研究室には俺が知らない俺がいるらしい。

 

 でも、自分に見えていない自分の姿があるのはなかなか興味深いので、修了する前にどんな感じなのか遠回しに聞き出すつもり。

 んー、こういう好奇心に従順なところなのかなあ。

 わからんわあ。