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本当に大切なことは誰にも教えたくない

10年ほど前からメンタルを傷つけて病んで悩んで、自分なりに導き出した結論。たまに日常。

先輩を育てるのは後輩

 とある先輩の話。

 

彼は期限を守らない。

彼は指示を聞かない。

彼は失敗を繰り返す。

彼は言い訳を垂れる。

彼は身の程に合わない大口を叩く。

 

彼は学位を取ることが出来るのだろうかと、毎秒こちらを不安にさせる。

 

 挙げていったらキリがないけど、大学の4年間と大学院の4年何をしていたんだって悲しくなるくらい研究者をする人間として大切な要素が欠けてしまっている。そのお陰で何度も教授に涙目で謝っている姿を大勢の前で晒している。

 

 いつも疑問だった。

どうして僕らの先輩だけこんなにみっともないんだろう。他の研究室の先輩はやることなすことスマートでハイレベルで、今まで積み重ねてきたものの重みが見えるのに。生まれ持って桁違いの才能を持つ人は数少なくとも確かに存在するが、日々の会話やゼミでの報告の崩壊加減を見てきて、彼は明らかに違うということを俺らは知っていた。それなのに多くの後輩は普段彼の話をまともに聞いてどうすればより良くなるか、何が足りていないかの忠告なんて絶対にしてこなかった。

 

何故なら先輩だからだ。

 

しかしこれは大きな間違だった。俺はこれまでの先輩への態度を猛省している。

 

 後輩教育については、様々な記事が存在するが先輩を育てる者の話はなかなかない。

ひとつは単純なもので、先輩ももとは誰かの後輩であり、先輩の先輩から学べばいい。

これは簡単だ。

しかし先輩も地位が上がってくると、いよいよ見習う先輩が見当たらなくなる。

 

先輩を育てるのは後輩だ。

先輩が先輩たり得るには、その経験値と能力を駆使して後輩を教育することが出来てこそであり、その両方で後輩に劣ったとき、先輩でいられなくなる。

その実現には肩書きに左右されず、常に先輩を脅かす成長を見せつけ、先輩を悩ませる質問を投げかけることで、成長を促すいい意味でのプレッシャーを与えていかなければならない。

 

 先輩なんてとっとと超えて、俺は上を目指したいなんて言う人がいる組織は、組織全体の能力を上げる意思がない人間がいることですぐ潰れる。先輩も含めて組織全体の底上げに力を尽くす人間がいて機能していく。

 

 ひとつ気になるのは……、

 彼は一度就職して戻ってきたのだと聞かされた日には、この体たらくが社会で通用したってことは働くって随分ちょろい事なんだなと錯覚しそうなところだ。