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本当に大切なことは誰にも教えたくない

10年ほど前からメンタルを傷つけて病んで悩んで、自分なりに導き出した結論。たまに日常。

幼馴染との話⑥

    この話では特に2人の会話は無いけど、長い時間かけた印象的な思い出だったから書いておく。
 

    中1の春。

    中学受験をしたYは頑なにその進学先と引越し先を教えることを拒否したが、同じ市内という話だったので俺も最後まで無理に聞き出そうとはしなかった。メールアドレスとかケータイの番号は知ってたから会おうと思えばいつでも会えると高を括っていた。それに、気味の悪いことに、2人とも居場所が分からない方が面白そうだと思っていたんだ。

    Yと離れ、中学に入学してすぐのとある日、偶然地元の駅でYのお姉さんに会った。Yのお姉さんはYにそっくりだけど目だけ少し違う。色は両目ともグレーで、Yと比べると少し穏やかな印象を受ける。ガキの頃Yと悪さして2人でゲンコツ食らったのは良い思い出だ。
    まさかお姉さんとのほんの少しだけの会話で、思いも寄らぬ情報を耳にすることになるとは予測できなかった。Yのやつ俺に嘘ついていやがったんだ。引越し先は市内と言っていたのに、完全に市外だったし、しかも県外だった。流石に中学生の行動力をもってしても簡単に会えるような距離ではなかったし、街でバッタリ会ったら正に奇跡と呼べる。でも何故か全く不安を感じなかった。だって望む気持ちを弱めなければ、絶対に会えるって思ってたから。
 
    そしたら面白い事にそれからほんの数ヶ月後に本当にバッタリ会っちゃったよ。
 
    Yは自分が心から望む結末を決して疑う事をしない人だ。どんなに困難でも、何度も失敗しようと、信じる力を緩めない。その思う力はまるで世界に対して、自分こそお前の主であるぞと言わんばかりの強大さだ。それほど強い思いを抱えて正気でいられるのが未だに信じられん。彼女は人生かけて人の想いが現実世界に変化をもたらすことを証明しようとしている。
 
    俺も世界を捻じ曲げるくらい強くて重い心を持ちたい。