本当に大切なことは誰にも教えたくない

10年ほど前からメンタルを傷つけて病んで悩んで、自分なりに導き出した結論。たまに日常。

幼馴染との話②

    Yと出会って1年。まだ2人の心は狂ってない。

    本屋行ったり、公園で遊んだり、流行りのゲームで対戦したり。俺らは見かけ上普通の子どもらしく、適当に仲良くやってた。まあ、力関係は圧倒的にYが優勢だったけど、彼女の力を目の前にしては当然のことだと思う。

    2回目の会話で全部を知りたいと抜かしただけあって、Yは想像出来ない程の活きた知識を持っていた。多分今の俺でも当時のYに追いついてないと思う。笑っちゃうね。
    昼間道端に花を見つけると、その花の名前、花言葉、伝説や神話を教えてくれる。夜、空に星が見えれば、星の名前、星々が形作る星座、神話を教えてくれる。さらには、人として大切な素養や、男の有るべき姿を説いたりした。ただ知識をひけらかすわけじゃなく、何が面白いのかをちゃんと伝えようと努めて語ってくれる。俺はそれを聞いてるのが好きだった。この時はまだ聞いてるだけ。対等に話ができるようになるまで少し時間が必要だった。
    俺が知る限り彼女の知識に底は無い。俺の質問に答えられなかったシーンは一つも思い浮かばない。

    Yは天才だ。

    何より俺が気になったのは、その知識量の源ではなく、どうしてYはこんなに楽しそうに喋るのだろうか、という事だった。彼女の目に映る世界はそんなにも愉快なもので溢れているのだろうか。俺にはまだその世界が見えてない。俺はそれだけ知りたくて、彼女から飛び出してくる情報をどんどん吸収していった。

    そして俺はYの思惑通り、Yが理想とする男へ順調に確実に成長していく。そしてそれが完遂された時、2人の心は大きく歪むことになる。